00025-20200215 雲の不思議
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小さい頃から、雲を眺めているが好きでした。澄んだ青空にポッカリ浮かんだ真っ白な雲は、西遊記の孫悟空のお話までもなく、自分や自分の夢をどこかに連れて行く乗り物にみえました。高校になり、高い山に登るようになると、観天望気の貴重な指標として雲のことを勉強しました。高層雲や高積雲(違いはこちらをご覧ください)など雲の高度や形状から、天気の移り変わりが予測できるのです。 さて、プロの物理屋になると、これまでの雲のマクロな見方からミクロな見方も含めた考え方で考えるようになりました。
私もご多分にもれずビールが好きですが、皆さんも一度は、ビールグラスを眺めて、ビールの泡をじっと見つめたことがあるのではないでしょうか?ビールの泡について、考えを巡らした有名なものとして、岩波書店から出版されたロゲルギストの物理の散歩道でも取り上げられています。ロゲルギストの議論は、本をお読み頂くこととして、泡が浮き上がるのは、アルキメデスの原理(浮力の原理)で理解することは可能です。泡の占める割合の体積の液体と泡という気体の比重の違いが浮力を生み出すのです。気体は軽く、液体は重いので、直感的にも理解出来ます。 雲も考えて見れば、地球を取り巻く大気の中に浮遊する水や氷の粒です。ビールグラスの泡と異なるのは、雲の場合には、気体の中に浮かぶ微小な液体や固体となります。そう考えると、何故浮かんでいられるか?不思議に思いませんか?
写真は飛行機から眺めた雲の様子です。幻想的な写真ですが、日の光にさらされて、時々刻々と変化する雲を飽きずに眺めていました。物理の観点から、いろいろなお話が可能ですが、気体の中に浮かぶ液体や固体という見方は、いろいろな示唆を与えるます。日々の自然現象の中に、大きな産業のヒントも隠されていることをよく感じます。また、単純な現象に、深い自然現象の意味が今でも隠されています。